「日本の水道水は安全」
「水道水をそのまま飲んでも安全性に問題はない」

おそらく、多くの人はこのような考えを持っているかと思います。

たしかに、日本の水道水は世界の中でも安全性が高いため、そのまま飲んでいる人も多いでしょう。しかし、日本の水は安全である一方、有害物質が含めれていることを忘れてはいけません。

そのような危険性があることを念頭に置きつつ、この記事で有害物質の種類や水道水を安全に飲む方法についてまとめていきたいと思います。

【結論】水道水をそのまま飲むのは危険

水道水をそのまま飲むのは危険

日本の水道水は世界の中でも安全性が高いことは、前述したとおりです。それは、日本の水道水は「水道法」に基づいて水質基準が定められており、高い基準によって水質管理されているからです。

水道水質基準は、現在51の項目が設けられています。一般細菌や大腸菌、水銀、鉛などの各項目について基準値が厳しく定められており、トップクラスの基準をクリアした水道水が私たちのもとに送り届けられているというわけです。

しかし、そのような水道水でもそのまま飲むことはおすすめできません。なぜなら、水道水には微量ながら汚染物質が含めれており、長期的に飲み続けると人体に影響を及ぼす可能性があるからです

日本の水道水における問題点3つ
  1. 鉛製給水管の問題
  2. 貯水タンクの問題
  3. 塩素濃度の問題

上記の問題点について、詳しく解説してきます。

1.鉛製水道管の問題

多くの水道管が地下には張り巡らされており、私たちのもとに「水」が送り届けられています。

1980年代後半までは、錆びにくさと柔らかさから水道管の材料に鉛が使われていました。しかし、鉛製の水道管は長時間水が使われなかった場合、鉛の成分が水に溶け出してしまうという問題を抱えています。

また、法定耐用年数である40年を超えて使用されている水道管もあります。長年使用されている水道管は、鉛製の水道管でなくとも水垢や鉄製の場合はサビなども発生する危険性があるのです。

現在メジャーな水道管は「HIVP管」「ポリ管」ですが、長年使われているものは衛生面のリスクがあることを覚えておきましょう。

2.貯水タンクの問題

マンションなどに設置されている貯水タンクも、衛生面で問題を抱えています。なぜなら、多くの貯水タンクは「物件の所有者や管理者」に責任があるとされているからです。

10t以上の貯水タンク
(全体の2割)
国指定の検査機関による定期検査義務
10t以下の貯水タンク
(全体の8割)
物件の所有者や管理者まかせ

全国にある10t以下の貯水タンクがある建物は約90万施設あるとされています。しかし、検査実施率はたった2.6%程度で、残りの施設は検査や清掃が行われていないという事実があります。

このような問題もあり、水道水をそのまま飲むことはおすすめできないのです。

3.塩素濃度の問題

日本の水道水は、塩素消毒することで微生物の殺菌を行っています。その基準は、蛇口で検出される塩素の濃度(残留塩素濃度)が0.1mg/L以上を保持することが定められています。

しかし「塩素」は人間にとっては有害な物質であるため、そのまま水道水を飲むことはおすすめできません。

また塩素の有害性として、水道水に触れることで皮膚炎の原因になったり髪が傷んだりする問題も抱えています。米国化学学会の報告によると、皮膚や呼吸から吸収される塩素量は水道水を飲む場合の6~100倍とされており、その影響が懸念されていることがわかるでしょう。

水道水に含まれる有害物質

水道水に含まれる有害物質

水道水には、人体に有害な物質が含まれていることがあります。その中でも、代表的なものとして以下の物質が挙げられます。

クロロホルム 発がん性があるとされている。
トリハロメタン クロロホルムと同様に発がん性があるとされている。水道水中の塩素濃度が高くなるほど増えてしまう。
フッ素 過剰な摂取が歯や骨に悪影響を与えることがある。

これらの物質は、水道水の浄化処理において、消毒剤として使用される塩素との反応によって生成されます。そのため、水道水に含まれる有害物質は、地域によって異なる可能性があるでしょう。

水道水は、飲料水として使用するため、有害物質が含まれていることは問題です。有害物質が人体に与える影響は、人によって異なりますが、長期的には健康に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要なのです。

水道水を安全に飲用するためには、浄水処理を行うことやミネラルウォーターなどの代替品を使用することが必要です。浄水処理においても、すべての有害物質を完全に除去することはできませんが、安全基準値以下に抑えることができるでしょう。

水道水から鉄サビなどが出る原因と対処法について

水道水から鉄サビなどが出る原因と対処法について

水道水から鉄錆などが出る原因として、以下の3つが考えられます。

  • 配管の老朽化や腐食
  • 水道管の修理や工事による影響
  • 水道水のpH値や酸素量の変化

配管が古くなると、腐食や劣化が進み、水道水から鉄錆が出ることがあります。特に、鉄や銅製の配管は、長年の使用によって腐食が進み、鉄錆が発生しやすくなります。

水道管の修理や工事によって、水道水の流れが乱れたり、異物が混入したりすることがあります。そのため、鉄錆が発生することがあるのです。

また、水道水のpH値や酸素量が変化すると鉄サビが発生することがあります。また、水道水に含まれる酸素が減ると、鉄サビの生成が促進されます。

これらの原因によって、鉄サビや茶色い水が出ることがあります。鉄サビは健康には害がありませんが、美観や衛生上の問題があるため、対処する必要があるでしょう。

そこで、鉄サビが出た場合の対処方法を詳しくご紹介していきます。

1.ろ過器を設置する

ろ過器を設置することで、鉄サビを除去することができます。

ただし、ろ過器の種類や性能によって、除去できる物質が異なるため、適切なろ過器を選ぶことが重要です。

2.水道管や配管を交換する

水道管や配管が老朽化している場合、交換することで鉄サビを除去することができます。

ただし、交換には費用がかかるため、事前に見積もりを取ることが重要です。

3.水道水のpH値や酸素量を調整する

水道水のpH値や酸素量が原因の場合、水道事業者に連絡して調整してもらうか、専用の薬剤を使用することで対処することができます。

ただし、水道事業者によっては、pH値や酸素量の調整を行っていない場合があるため、確認することが重要です。

水道水を安全に飲む方法をご紹介

水道水を安全に飲む方法

水道水を飲む際には、有害物質の影響を受ける可能性があるため、安全な飲み方を知っておくことが大切です。水道水に含まれる有害物質は地域によって異なるため、まずは自分の住んでいる地域の水道水の安全性について確認してみましょう。

水道水を安全に飲むためには、以下の方法があります。

1.家庭用浄水器を利用する

家庭用浄水器を利用することで、水道水を濾過することができます。

浄水器の種類や性能によって除去できる有害物質が異なるため、適切な浄水器を選ぶことが重要です。

浄水器は、蛇口にそのまま取り付けるタイプやウォーターサーバータイプのものがあるため、ライフスタイルにあわせて導入を検討してみてくださいね。

2.ボトルウォーターを使用する

ボトルウォーターを使用することで、有害物質を含まない水を飲むことができます。ただし、ボトルウォーターを常用する場合、環境にも負荷をかけることになるため、環境に配慮した使用方法が求められます。

飲み終わった容器などは、自治体のルールを守って処分するようにしましょう。

3.地域の自治体や水道事業者に問い合わせする

水道水の安全性について、地域の自治体や水道事業者に問い合わせることができます。自治体や水道事業者は、水道水の安全性について定期的に検査を行っており、検査結果は公開されています。

自分が住んでいる地域の水道事業者のホームページなどで情報を確認することができます。

4.ウォーターサーバーを導入する

ウォーターサーバーがあれば、きれいな水を安心して飲むことができます。この記事で少し述べましたが、浄水タイプのものだけでなく、宅配で水を届けてくれるものまであるため大変便利です。

毎月費用がかかってしまいますが、天然水などの美味しい水を安心して飲めることは、とてもメリットが大きいと言えるでしょう。

日本の水道水はきれいだがそのまま飲むのはNG

日本の水道水はきれいだがそのまま飲むのはNG

まとめになりますが、日本の水道水は世界の中でも安全性が高いですがそのまま飲むことは避けましょう。

水道水は毎日使うものなので、安全に使うことが求められます。水道水を安全に飲むためにも、浄水器やウォーターサーバーの設置をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

水道水の対策を行い、ぜひ安心できる毎日を過ごしていただけると幸いです。